元ガリガリの筋トレ日記

伊藤先生の考えるキャリアの切り開き方

弁護士のコア・コンピテンスは,依頼者から挙げられた法律上の問題について,法令上の手続等に則って適切にアドバイスし,また,その代理人として事案の処理を行うことにある。だから,いきなり一人立ちする場合,適切に事案の処理できるかが,最重要である。


だから,そのことを意識するのは当然だが,とはいえ,そうなるためには何年もかかるわけで,2ヶ月という期間で,習得できるわけではない。だから,「事案の処理能力を高める」ことについては一生懸命やるものの,限界があるから,あまり多くを望めない。


事案を処理することは,弁護士業務のバリューチェーンの中核であるが,書面を書いたり,考えたりする以外にも,裁判所を始めとする各所との関わり方,手続の選択と進行も重要である。この点については,すべてを習得することはもちろん無理だが,どういうマニュアルが存在しているのか,わからないときはどういうところへ聞けばよいのか,頼めばよいのかということが少しわかっただけでも大きな収穫だった。

弁護修習終了 - Footprints

 

このとき,パートナーの目には,「自分が知らない経験」であるが故にその経験は「弁護士業務にとって不要な経験」と推定されて映る。「他人がやっていない経験を積む」ということは,それだけでは「商売としての弁護士」には役立たない。

「ユニークな経験を積んだこと」を「弁護士としてのキャリア」に活かすためには,さらにもう一歩「これは,こういう依頼者のこういう事件に役立つ」というところまで結び付けて論証する努力が求められる。

就職活動(7) - Footprints

・明確な専門性を持った働き方の方が仕事にきっちり向き合えると思ったから

・SEのままでよかったのではとも思うが、ローに行けなかったことが心残りであり、この決断に関しては、合理性度外視であったと思う。

・専門家として社会に関われば良いという解像度であるため、インハウスもいいと思っている。

・インハウスであれば資格は不要では、とも思うが、資格があった方が責任に基づく努力が継続しやすくなり、結果的に能力と収入が上がりやすいと思っている。

・エンジニアの経験は、契約書作成や法律相談等を行う際、共通言語を使えるため依頼者とコミュニケーションが取りやすく信頼を得やすい、実務を理解しやすく

 

企業向け法律事務所の価値について

むしろ,外に出すべき仕事,中でやるべき仕事の振り分けが適切に行われるようになってきている傾向を感じる。専門分野の仕事,重要性の高い仕事,社内の意見のセカンドオピニオン的なものが求められる仕事,ボリュームが多くて中では処理しきれない仕事など。

企業法務弁護士とインハウス【法務系Advent Calendar 2017】 - Footprints

 

伊藤先生の考えかもしれない

定跡を覚えるのが一つの勉強方法だ。それは前に通った先駆者の航路だが,真似てみることは大切だ。誰でも最初は真似から始める。
しかし,丸暗記しようとするのではなく,どうしてその人がその航路をたどったのか,どういう過程でそこにたどり着いたのか,その過程を理解することが大切だ。

決断力 - Footprints

つまり、伊藤先生に質問するときはその航路を知ることが重要そうである。

・コンサル時代に訴訟に巻き込まれたことがある

・社会人から純粋未修で一橋ローに入り、修習生になったようである

・弁護修習ではすぐに独立するつもりで、バックオフィスの運用や、手続きの進め方を学んだそうである

・就活の戦略としては、ダイレクトにコンタクトを取る方法を選択されたようである。この場合、就活ステップに乗らなくてもキャリア相談に移ることができるようである。もっとも、仮に就活ステップに移るのであれば、当該業界や事務所についての深い理解が要求されると思っていたようである。

 

その1 「いろいろな切り口」

・「プロダクトアウト的」な切り口:システム開発紛争、IT事業に関する法律相談

・「マーケットイン的」思考:海外事業を多く行っている会社、

・「組織への帰属形態」:時間と顧客満足のどちらも重視する組織であると嬉しい。

 

その2 できるだけ具体的に

・今後経験を積み重ねる中で、同じ時間で出せる価値を最大化させたい。

 →IT事業に対する支援を積み重ねるのが良いと思った

 →このためなら所属先はどちらでも良い

 →最大化させるのであれば訴訟をやっておいた方が良いのであれば一旦事務所に務める方が良い。一方、事務所で経験を積む時間を、インハウスでの業務に充てることで、事業に対するサポート力は蓄積できることから、どちらがいいとかはないように思える。

 →色々な事業会社を助けたいのであれば事務所である。一つの事業会社を助けたいのであればインハウスである。この点、その時々で一つの事業にコミットしたいのであれば、インハウスが良いと思う。

 

その3 誰もやっていないこと

(「誰もやっていない」かどうか,というのをきちんと調べるのは次のタスク「調査」での守備範囲なので,「目標設定」の段階では,とりあえず,気にしない。

 また、「自分でできるかどうか」も気にしない。

 必ずしも従前の弁護士業務の中から探す,というのではなく,より幅広い視点でみてみるのもよいかもしれない。)

・思い付かない。外縁がわからない。

 

その4 なぜ,そのゴールなのか

・社会への貢献の最大化が目標である。そして、大学時代から現在に至るまでで英語(異文化コミュニケーション)・IT・法律について知識と経験を積み、法律とITと英語の重なり合うところが、最も貢献できる場所だと思ったから。

 

その5 調査

(調査の視点には二つ、一つは,需要側の視点。もう一つは,供給側の視点。)

・法務(顧客)としては、個人情報保護法などでスポット的に質問できる事務所がありがたい